NECモバイリング40年史
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11●めて分かることがいくつもあった。 生産革新を進めていく過程で、誰が仕事をしても失敗が起こらない仕組みを作ることを目指した。データをフィードバックし、“見える化”を図って悪いところを少しずつつぶしていった。 「私たちの5WはWhenやWhereではなく、Whyが5回、“なぜ”の5乗です。“なぜ”を突き詰め、そして決めたら“3即”。ノーエクスキューズで即時、即座、即応。改革におカネをかけず知恵で勝ってみせたんです。」 カスタマソリューション事業部には営業職がいない。だから修理品を早くお返しすることが営業活動になる。修理の状況は通信事業者からベンチマークされ、リードタイムや再修理率が他社と比較される。 以前、当社は5番目にすぎなかった。これが生産革新導入後すぐに3位以内となり、現在では断然トップを走っている。 「修理は“あたりまえ”の仕事。直ってあたりまえ。早くてあたりまえ。それを実現したことがブランドロイヤリティとなりました。」 提出した見積価格で先方に驚かれる。安い、そして仕事が速い、人も少ない。これは生産革新で競争力を高めた結果だ。 「効率と競争の時代に生きている以上、それを追求していくのが使命だと考えています。修理の対価はつねに下げられる。昨日と同じことをやっていては10年後はない。マグロのように、“止まったら死ぬ”。そういう覚悟です。」サービスセンター自体を商品に。方法論を武器にさまざまな分野へ この10年はいわば3Gの10年だった。しかしスマートフォンの登場で携帯電話市場は変容した。従来の携帯電話はメーカーごとに独自性があり、修理には技術や経験が大きくものをいった。しかしスマートフォンはパソコンと同様に汎用部品が多い。他社から仕事を奪うことも可能になる反面で、仕事を奪われる可能性も出てくる。買い換えのスピードが上がっていけば、修理そのものがなくなる危機感すらある。 「だったら自分たちはサービスセンターそのものを商品として売り出すんだ、という発想で仕事を広げていこう。」 生産革新の手法を身に着けた人材を派遣することもできる。工数支援ができるのでほかの事業部が取ってきた仕事をケアすることもできる。いろいろな企業が困っていることを聞いて、解決策を提案する。カスタマサービスからカスタマソリューションへ、可能性は外向きにも広がっている。 「修理にとどまらず、いろいろなことにこの方法論が応用できるはず。たとえばレストランの革新だって手伝えるのではないか、そんなことも考えているのです。」 利益率を劇的に変えた生産革新。しかしそれも手段であって、時代ごとに合うものがある。リーダーたちの背中を見て新しいリーダーも育っているはずだ。 「我々の世代は改革を“やらされた”という感覚が強かった。しかし育ってきた次期リーダーは、自分がやると決めたときには、強烈な自己主張が出てくるはず。時代が変わって、仮に手法が変わったとしても“品質”は変わらない。修理がなくなる危機感のなかで、新たな提案が出てきてほしい。」 簡単ではなかった生産革新。しかし革新の歩みは未来に向かって、止まることなく続いていくのだ。■特集 この10年で築いた強みで、未来を拓くお客さまからお預かりした端末の故障状況をひとつひとつ解析1個流しの立ち作業でリードタイムを大幅に短縮

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